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・10月18日に愛兎のせつこが月に帰った。
一週間くらいは何をしていても憂鬱で少しでも気を抜くと涙が零れてきたが、最近では家族ともせつことの思い出話に花が咲き悲しいという気持ちよりも「約5年間、楽しかったな」という気持ちのほうが大きい。
動物は毛皮を着替えていつか飼い主の元に戻ってくるという。
だから、同じ悲しみはもう二度と味わいたくないとペットは絶対に飼わないというスタンスになるのではなく、もう一度出向かえるスタンスがペットロスを慰める一つの手立てになるのではないだろうか。
ともあれ、よく僕のもとに来てくれたよせつこ。
ありがとう。
・せつこの命日に僕はある国家資格試験を受けてきた。
宅地建物取引士資格試験だ。以前までは宅地建物取引主任者という名前だったが、今年から名称変更されついに「士(さむらい)業」の仲間入りを果たしたのだ。(といっても本当に名前だけの士に変更されただけであって行政書士とか司法書士には遠く及ばない)
しかし、不動産業者が売買仲介を行う上で宅建士は従業員の5人に1人必ず設置しなければならないため宅建士という存在は欠かせない存在だ。そして法律系資格の登竜門と言われ、受験資格もないため比較的に受けやすい
だから人気資格として名前だけでも知ってる人は多いのだろう。
さて、その宅建士の合格率をご存じだろうか。なんと約15%。
去年だと約23万人が受験して合格したのはたったの約3万人だ。
ネットでは「宅建はどんな馬鹿でも取れる」「独学1か月余裕」「運転免許の次に簡単」「落ちたら死んだ方がイイレベルで頭が悪い」とか馬鹿にされている資格のトップでもあるが、受験してみて全くそう思わなかった。むしろ普通に難しい。そりゃそうだ。15%しか受からないということは言い方を変えれば約85%が落ちる試験なのだから。
まだ合格発表が20日くらい先なので試験に関して今は何も言うことが出来ない。というより、言えない。受かってるか落ちてるか本当に分からないから。
ただ一つ今回の資格取得を目指した勉強期間に学んだことがある。
それは自由についてだ。
試験が終わるまではとにかくゲームがやりたかった。やれご褒美だ、やれ息抜きだと適当に理由をつけてはゲームで大切な時間を使ってしまった。
だが試験が終わった途端ゲームをやるどころか、何にも興味がなくなってしまった。
それどころかあれだけ嫌だった勉強をもう一度やりたいとさえ思ってしまった。
思うに、自由とは不自由があってこそそのありがたみが分かるのではないだろうか。
例えるなら、射精管理を強制的にさせられている男の子が泣きながら管理を辞めてほしいと希っていたのに一か月我慢させられた。だが、あるときあなたは自由よと管理から放たれた。あれだけ願っていた管理からの解放。だが、彼はもう管理なしでは生きていけなかったのだ。
みたいな感じ。
・マジで受かっててほしいです…マジで…
せつこに顔向けできねえよ。